
年齢と共に毎日の生活に求めるもの、あり方が変わってきたように感じませんか? 私も目まぐるしい生活をしていた一人としてあるときから「私にとっての幸せな生活って何?」「なんのためにお金がほしいの?」などと自分に問いかけるようになってきました。 この自分への問いに拍車をかけたのが、今年3月に起きた東日本大震災、そしてちょうどそのときに滞在していたパリでの暮らしを体験したことだったのです。 パリに居たころ、たまたま昔買っていた雑誌の切り抜きとして取って置いたものを古い本の間に見つけました。作者は不明ということですが、私は数字や周りの意見に振り回されそうになったときに読むことにしているので、ご紹介したいと思います。 ******* 一人のアメリカ人ビジネスマンが、メキシコの小さな漁村の海辺で海を眺めていた。そのとき、たった一人の漁師を乗せた船が沖から帰ってきた。小さな船の中に、数匹のマグロが横たわっていた。 アメリカ人「いい魚がつれたんですね。どのくらい時間がかかりました?」 メキシコ人「ほとんどかかってないですよ」 アメリカ人「じゃ、何でもっと時間をかけて、もっと多くの魚を捕ってこないんですか?」 メキシコ人「もう家族を養うのに十分だからです」 アメリカ人「しかし、一日の残りの時間をどう費やしているんですか」 メキシコ人「まあ、朝ゆっくり寝て、少しつりをやって、妻のマリアとシエスタをとって、そして夕方になると村の広場に行って、アミーゴたちとワインを飲んだり、ギターを弾いたりするよ。とても忙しくて、充実した生活を送っています。セニョール」 アメリカ人「(少しあきれて)私はハーバードのMBAを取っているんだ。あなたのためのアドバイスをしよう。 もっとつりに時間をかけて、多くの魚を捕って、あまったお金でもっと大きな漁船を買うといい。そのうち、何隻も買えるよ。それと、魚は仲買人に占いで、直接食品メーカーに売るといいよ。やがては自分で工場を開く。そうすると、製品も流通も、加工も全てコントロールできる。そうなったらこの小さな漁村からメキシコ・質へ、やがてはニューヨークへ引越して拡大し続けるグローバルな事業を展開するようになる。いいだろう!」 メキシコ人「しかし、セニョール。そこまで何年かかるんですか?」 アメリカ人「まあ、15~20年くらいでできるよ」 メキシコ人「それからどうするんですか」 アメリカ人「(ほほえみながら)そこからが本番だ。株を上場させて、一夜にして億万長者になるんだよ、ハハハハ」 メキシコ人「おくまんちょうじゃですか。そんなにお金があってどうなるんですか」 アメリカ人「それはねえ。 リタイアして、メキシコの小さな漁村に引っ越して、朝ゆっくり寝て、少しつりをやって、奥さんとシエスタをとって、そして夕方になると村の広場に行って、アミーゴたちとワインを飲んだり、ギターを弾いたりすればいいんだよ」 ****** というお話。 今追い求めている物質的な「豊かさ」やお金を手に入れたところで、本当に求めている暮らしは今貧しくても「足るを知る」生活の中に既にあるんだ、ということを教えてくれますよね。 お金を得ようとすることで、自分の時間や家族など大切な人との時間、そして心身の健康すらも切り売りしなければならないようになることがあります。それが本当に自分がやりたいことならそれも幸せですが、豊かさのために・・と思い、がむしゃらに働くことは、むしろ豊かさを奪っていることになるかもしれません。 私がパリで思ったことは、社会人としての時間と自分としての時間、一日の中で両方を半分ずつ過ごせるような時間の使い方をしたい、ということ。 フランス人は仕事が終わると会社の仲間と飲みに行ったりせず、家族や親しい友達との時間や趣味の時間に充てています。残業などもほとんどせず、夏になると日が高い間に帰宅できる人も居るようです。日本の社会構造がこういう生活を許さないという事情もあるかもしれませんが、「付き合いで・・」と気が進まない宴会を少しずつ減らしてみる、日中集中して仕事が出来るような工夫をする、など小さな努力はできそうです。 いきなりメキシコ人の生活を真似するのは無理かもしれませんが、これから新しいステップを踏み出す人も、今の生活を見直そうとしている人も、豊かな生活ってどんな生活なのか、一日をどのようにすごしたいのか、想像を膨らましてみたら良いかもしれませんね。
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