日本の伝統技術の継承方法
東京から新幹線で約2時間。新潟県三条市は、世界でも有数の金属産業都市です。
江戸時代に、日本独特の釘「和釘」の産地として始まり、その技術を大切につないできました。技術を伝えるだけでなく、想いや感動をそこに吹きこんできたからこそ続いてきた三条鍛冶。
そんな心意気を感じる三条鍛冶道場で和釘づくり伝統技術の伝え方を取材しました。
和釘とその歴史を知る
三条鍛冶の和釘は、江戸時代の寛永2年(西暦1625年)、この地方を治めていた出雲崎代官の大谷清兵衛が、河川の氾濫に苦しむ農民を救済するため、江戸から釘鍛冶職人を招き、農家の副業として和釘の製造法を指導・奨励したのが始まりとされています。
和釘とは、日本古来の建築に用いられる釘の事です。
「釘」と言われると、軸が丸く頭が平らなものをイメージしますが、実はこういう形の釘は、明治時代以降に入ってきた「洋釘」です。
現在では、洋釘の需要が圧倒的ですが、神社仏閣・城郭などの古建築物の修理復元には無くてはならないのが和釘です。和釘は用途により頭の形状は様々ですが、軸の形状は全体が四角になっています。
江戸の大火や大地震により和釘の需要が急増し、和釘づくりが盛んになりました。
会津方面からの鋸や鉈等の新しい製造法が伝わりました。高い技術力を生かし、製品も和釘から鎌、鋸、包丁へと広がり、次第に専業鍛冶が誕生しました。
その後、金物商と呼ばれる金物専門の商人が登場し、商圏を広げていき、三条鍛冶は、全国で名を馳せる一大産業に発展していったのです。
現在では、この三条鍛冶の伝統を受け継ぐ包丁や利器、鍛造技術を基盤とした作業工具、測定器具、木工製品、アウトドア用品、冷暖房機器など、金属加工を中心とした金属産業都市・三条へと発展しているのです。
「伊勢神宮」との意外なつながり
伊勢神宮は、原則として20年ごとに、内宮(皇大神宮)・外宮(豊受大神宮)の二つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿を造り替えて、神座を遷します。これを「式年遷宮」といいます。
この社殿の作り替えで使われるのが三条の和釘です。
前回の式年遷宮の際に、1991年(平成3年)従来まで和釘の製造を依頼していた中京、関西地区の和釘製造業者の数が減少したために、まとまった数の和釘を製造できる産地として、三条が選ばれました。
今回の式年遷宮は2005年(平成17年)から各行事が進行していて、2013年(平成25年)に完了する予定で、もちろん今回の三条の和釘がたくさん使われています。
そんな「和釘」の視点からお伊勢参りをするのも楽しいかもしれません。
豊富な体験講座
この伝統ある三条鍛冶の技術を広く伝え、継承していくため、平成5年から現役の鍛冶職人の指導による刃物づくり体験講座「さんじょう鍛冶道場」が開講されました。
この活動をさらに発展させるため、平成17年に「三条鍛冶道場」を開設し、様々な講座を開講しています。 包丁研ぎ体験、和釘づくり体験等の常設鍛冶講座や、木工、仏壇づくりなど、三条伝統のさまざまな「技」を体験できる各種講座を開講され、伝統技術とものづくりの精神を次世代に継承していく活動が行われているのです。
「伝えていきたい」想いを感じる和釘づくり体験
私たちは、このような歴史をもつ、三条鍛冶道場で体験できる「和釘づくり」を体験しました。作り方は、鉄線を火で熱し、オレンジ色になったら金槌で叩いて、形を整えます。
まず、最初に和釘の頭の部分を整えます。そして、熱して柔らかくなった頭の部分を、台の端を使ってクイッと曲げます。最後に、曲げた部分を上から一叩きして形を整えます。
次に先端部分を叩いて尖らせていきます。金槌の叩き方のコツは、力で叩かない事です。軽く握って力を抜いて釘を叩く。そうした方が、なんとも言えず、気持ちよく力が釘に伝わる感じです。
できたのがこちら。
釘先が整わず、とても平べったくなってしまいました。「しっかりとした和釘ができるようになるには最低三年はやってもらわなきゃ。」と鍛冶職人さんからお言葉をいただきました。
「伝えていきたい」という想いの源泉は「自信」と「誇り」
日本の伝統技術を伝えるのは、とても大切な事です。
しかし、こうした技術がある事や、もしかしたら和釘の存在ですらなかなか伝わっていないのが現実ではないでしょうか。こうした技術や文化は体験する、体感することがなんといっても一番心に響くものです。感じることで、一気にその伝統文化や技術との距離感が縮まる経験をされた方も多いと思います。
この三条鍛冶道場のように、実際に職人さんたちが作業のできる環境を整え、そして一般の人でも豊富な各種体験講座を開講しているのは、「伝えていきたい」という想いが原動力です。そして、その文化や技術に対する「自信」や「誇り」が表れた素晴らしい取り組みです。
誰でも、本格的に体験することのできる開かれた体験施設は、伝統や技術を人々の心に刻まれる一つのかたちといえるのではないでしょうか。
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*外部サイトに飛びます。戻るときはBACKボタンで戻ります。| 名前 | 三条鍛冶道場 |
|---|---|
| 住所 | 新潟県三条市 |
| 関連するURL | http://www.ginzado.ne.jp/~avec/kajidojyo/index.html | 地域キーワード | まちづくり,まちづくり事例,地域活性,まちづくり,地域の活性化,観光プロモーション, 海外展開, 企業 事業, 企業 海外, 海外事業展開, 海外展開 戦略, 海外展開 企業, 海外展開 日本企業, 中小企業 海外展開, 海外展開支援, 中小企業海外展開支援, インフラ 海外展開, 海外展開 課題, 楽天 海外展開, イオン 海外展開, セブンイレブン 海外展開, ドコモ 海外展開, パナソニック 海外展開, 味の素 海外展開, 中小企業海外展開支援会議, 花王 海外展開, アニメ 海外展開, パッケージ型インフラ海外展開, リクルート 海外展開, |
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